京都七条通りをまっすぐ東に進むと、智積院に突き当たる。突き当たりの三叉路の前に佇む智積院の立派な門は静かに閉ざされていて、門の右手下の看板に、総本山智積院の名称、桃山の美、国宝、長谷川等伯「桜楓図」、名勝庭園「利休好みの庭」と今回の目的がコンパクトに纏められていて、 宿坊拝観→右手へと促される。
京都の道路はバスにタクシーにとガチャガチャとひしめき合っている。
正面の門を右手にすすむと、車も入れる大きく開かれた入り口があり、左手に総合受付、右手先の小高い所に智積院会館が見える。
今日の宿泊先。
入り口に入ってからは別世界。他の京都の寺院と変わらず、静けきったひろびろとした緑の中に伽藍が贅沢に佇んだいる。
この美しさは、ザ・京都。
この贅沢な敷地は、並のホテルでは見当たらない。檀信徒でもないが、どなた様でもご宿泊いただけますとの案内が心の頼りに坂を歩む。
京都のどこに泊まってもいいのだが、長谷川等伯の傑作が揃っているのは智積院のみ。せっかくなので宿泊してゆくっりと鑑賞したい。他では味わえない宿泊者限定の特別拝観がついて来る。 朝から僧侶の方のガイド付きで、長谷川等伯一門、国宝障壁画のご案内などスペシャルな企画は特筆もの。
更に、早朝の僧侶の読経にも参列できる。
但し、
ロビーに5:40に集合。
罰ゲームではない。
ありがたい朝のお勤めだ。
健康にいい。
その後には、朝食が精進料理で非日常体験が目白押し。
たまたま、コロナ禍でワクチン接種の証明書出すと割引で泊まれ、一泊一万円もしない格安価格。この時は外国人も少なくとても静か。静寂の京都。
なんという恵まれたタイミング。
観音様ありがとう。
智積院会館のロビーに到着。
これ宿坊?
どっからどう見てもホテルだよ。
建て直してすぐなだけあって、
めちゃ綺麗。
若いお坊さんが受付してくれちょっとしたホテルマン。
通常、宿坊なら民宿以下、もちろん旅館には届かない。それが、ビジネスホテルとしても、アパホテルより広くて品がある。
ただ、ロビーに置かれているイベントのチラシが真言宗の案内とはカッコイイ。
そこは、かろうじて宿坊。
案内されたのは、ツインルーム。
今時の超洗練されたビジネスホテル。
バスとトイレがセットになった狭いビジネスホテルではない。独立しており広々。
快適なベット。
畳の民宿感はなし。新しいので気持ちいい。
とうとう、真言宗もホテル産業に進出かと思わせる。大浴場も備えてあり、伊豆石の浴槽が貸切常態。私一人でサブン、これホンマにいいの?あ〜気持ちいい。
最早、宿坊ではないよ。
朝のお勤めのコースが、唯一といって宿坊を保っている。35話から41話まで、長谷川等伯が能登半島から七尾を旅立ち、絵師として京都に上る人生と観音巡礼を重ね合わせて、巡ってきました。
今回は、観音巡礼より長谷川等伯の旅の終着地京都。
長谷川一派が、人生をかけた絵画が京都智積院に残る。
次回、朝のお勤めから。
タイマーを5:20にセット。
続く。