三十三観音巡礼  非公式サイト(煩悩充実日記)

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【0036 観】法華経と上京、長谷川等伯の旅路

前回からの続きから、法華経は、勝手な解釈かをすると、挑戦する勇気の後ろ盾になるなではないか。戦国の世、世に出る出世する為にはとてもいい経典と思う。

仕事も責任感も出る立場になって、悩みや能力以上の結果を求められるようになって、色々な本を回り回って、チラッと仏教の本をかじりだすと、お葬式の呪文ではなく、経典やお経が、生きている人への教えが本来の趣旨なんだとわかってきた。

今までは、死んだ者への供養かと。

墓参りで、なみあむだぶつの呪文風に唱えたばかりなので尚更思う。

実は違っていたんだとは、お釈迦様の教え、この世の仕組みに、ハッピーに生きる為の極意書なんだ。

死と生きる為の究極の理解へ。

複雑な世の仕組みの理解と論理。

あ、わかった!

生きていく為へ。

覚り、悟りへの導き。

経典は人生の指南書であり、その中でも、法華経は、元気一杯に生きている人に悟りを開かせ人生の成功に導く、今生きている現世に役立つ自己啓発本の巻ってところだろうか。

一般に、社会に出て能力が高く、自分の力を発揮できる人、ベンチャー企業の社長など法華経の指南書がとってもいいんじゃないかな。戦国の世なら町人衆や武将など、自分の力で勝ち上がる人だろうな。そういう意味でも長谷川等伯には、法華経の指南書はピッタリ当てはまる人生と思う。

長谷川等伯が、七尾から京都の都に出て絵描きとして立身出世していく、安土桃山時代のトップ、いや日本歴代最高峰といえる絵師軍団の狩野派の総帥、狩野永徳にガチンコで有力社寺から戦国大名からと絵画の受注競争を繰り広げる。

受けて立つ方狩野永徳も、チャレンジしていく長谷川等伯側も、このような頑張る人たちには法華経の教えが強力に後ろ盾となっているのではないだろか。力強い教えがライバル同士の激突によって途轍もなく力強い絵画を世に生み出していく。

のちの国宝となるまで互いに頂点を極める。

 

戦国の世の中、長谷川等伯は、石川県能登七尾から旅立つのである。

 

私もならって旅立つのである。

 

旅立つに当たって、安部龍太郎さんが描いた小説「等伯(上)」のストーリーが面白い。長谷川等伯がとある事件に巻き込まれて、長谷川家から追放され七尾の故郷を追われてしまう。そして、戦乱の中、京都の都に上る。絵師として駆け上がる歴史小説、謎が多き長谷川等伯の人生が、小説だけあってドラマチックに描かれていてとても面白かった。

 

小説の趣旨からずれるのですが、等伯が石川県の七尾から京都に向かうルートと現代と比較が面白い。このブログは、観音巡礼なので昔の旅のルートに興味を惹かれる。

等伯が、実際に通ったかどうかは置いておいて、事件に巻き込まれた等伯が妻子と都(京都)に向かうルートが小説で描かれていて、七尾から能登半島陸路を、千野、江曽、二宮と陸路をたどり芹川にいたる。

確かに地図にある。

今ならJR七尾線の感じかも。七尾駅から二宮駅で下車するみたいなものか。

ここで川舟に乗り換えるのも面白い。

芹川が長曽川となりくだっていける。

これ昔の有料高速道路だな。

間もなく広々とした湖にでる。あ、確かに能登半島西岸の羽咋(はくい)までつづく邑知潟(おうちがた)に川が流れていく、今はほとんど埋め立てて平野化しているが、水運の大動脈だったんだ。

邑知潟からは羽咋川を通ってすぐに海にでられる。

日本海が広がる。

羽咋川の河口右側には、能登国一宮の気多大社が鎮座しており、その先には、等伯仏画を残している日蓮宗の北陸本山妙成寺もあり。

左側には自動車でも砂浜を走れる渚ドライブウェイの千里浜、等伯の松林図屏風ではないが、砂浜と松林がつづく。

七尾から羽咋(はくい)まで、朝に七尾を出発すれば夕方には羽咋に着く。

なるほど、なるほど、そんなルートがあったのか。能登の西岸からみる夕日はめちゃくちゃ美しかったろうな。

能登羽咋(はくい)から船に乗って、日本海の海で越前(福井県敦賀港に入るルート。これなら風がよければ早いよな。

越前(福井県敦賀に到着すると、越前国一宮気比神宮が待ち受ける。

能登一宮から越前の一宮へ。

氣多大社から氣比神宮

神様の「氣」の旅にも感じる。

ここから、再び北国街道が現れる。

善光寺からの信州北国街道。

越前(福井県)と近江(滋賀県)を結ぶ北国街道。

今回の旅は、2つの北国街道で繫がっている。

昔のルートでは、北国街道から琵琶湖最北端にある塩津港があり、そこから船で大津へ。

なるほど。

こちらも風向きがよければ琵琶湖を一気に大津まで行ける。

もう京都は目の前だ。

京都山科を抜けて、東海道の都への入り口の粟田口から上るのか。

京都と七尾が、海路で風がよければ、川と海と湖のおかげで意外と近い距離に感じたかもしれない。

 

今は、北陸自動車道で陸路の愛想ないが車を走らせれば直ぐだ。もしくは、JR西日本の特急サンダーバードで4時間前後で京都に入れる。

昔のルートには風情があるな。

川に船に海に山に琵琶湖に。

今、仮に昔のルートで行くと贅沢な旅だ。

 

私は、スタートの七尾時点で既に寄り道して、日本一の温泉旅館「加賀屋」さんのすぐ側、七尾湾の波打ち際に建つカフェ「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」に立ち寄る。

このカフェは、クープ・デュ・モンドなどの洋菓子の世界大会に日本代表にもなり、数々のコンクールを受賞して、オーナーパティシエ・ショコラティエとして、上京して大成功している七尾出身の辻口博啓(つじぐちひろのぶ)さんのお店だ。

「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」は、ミュージアムも併設されていてケーキも販売している

ミュージアムには、辻口語録としてなんと、

「ライバルは等伯だ」と掲げられているではないか。

辻口さんが身をもって体験されてきたであろう夢と努力は、スイーツも頂点を極めればアートであり、立身出世は確かに等伯と重なる。

 

七尾湾の波打ちの音。

潮風にケーキに珈琲を飲んで癒しすぎた。

 

さぁ、私たちも西国に旅立たなきゃ。

 

石川県七尾で、何事も極めればアートを感じながら、今度は羽咋市(はくいし)千里浜なぎさドライブウェイで、またもや地元グルメに捕まる。

千里浜名物、練り物「いかだんご」を食べ、花より団子となる。

ここより美しい砂浜がずっと続いていく。

 

爽快に潮風に中、車を走らす。

砂浜の上、日本海の波をすり抜けるドライブは最高に気持ちいい。

砂浜は延々と続き、焼きハマグリ屋が点々と並ぶ。またもや我慢できるわけなく、浜茶屋に吸い込まれハマグリを焼く醤油の香りと味に卒倒する。

世界一をめざす人たちとは程お遠い旅路。

 

ただ、こんな日常が世界一幸せかもしれない。

 

グルメトラップにすべて捕まりながら、やっとのことで金沢(加賀)インターまでたどり着き北陸自動車道に乗って越前(福井)そして近江、京都に近い海、滋賀県琵琶湖へと車を進める。

目指すは、北陸自動車道の長浜インター。

そして、

北国街道から

琵琶湖長浜港へ。

琵琶湖の最北にぽつんと神秘的に浮かんでいる竹生島

そこは、神と仏の島。

乗船して西国三十三ヶ所第30番札所 宝厳寺がある。

 

次回、長谷川等伯と北陸近江の戦国絵巻へ。