拝観料を払って中金堂の柵を右脇から入る。
お〜!
これぞ赤い奈良。
朱色に輝く赤い巨木の柱が並ぶ。
国宝館でみる仏像と、この立派な荘厳な中金堂に安置される仏像では仏様の見え方が違う。
奈良には、この巨大な柱と巨大な仏像の釈迦如来挫像がよく似合う。
巨大伽藍に収まってるのがこれぞ奈良の仏像なのだ。
大仏はもとより、奈良の仏像は巨大なのだ。
黄金色に輝く釈迦如来が中央でチラチラ見える。
中に入ると広い。
この巨大な中金堂の広さから、ゆっくりと悟りを開かれてる感じがでる。
その周りに、超男前の四天王立像が釈迦如来を守る。
鎌倉期の仏像はとにかくかっこいい!!
写真で見るのと、現地で更に立体で観るのではこれも大違い。
更に、釈迦如来挫像の前の1本の柱に、法相宗のど真ん中、唯識にまつわる偉いお坊さんがハッキリとした色彩で描かれている。
赤い朱色に負けなく世親(せしん)菩薩が・・・。
三蔵法師は?
唯識(ゆいしき)学問の歴史。
法相宗のそのもの。
この柱は正しく興福寺のシンボル、トーテンポール。
この一本に14人の祖師が描かれ法相宗すべてを表していると言っても過言では無いでしょう。
真ん中に座るお釈迦様が、本来は尊敬されるものなんだろうけど、その大事なブッダより日本ではどちらかと言えば宗派を開いた人たちの方が尊敬されている。
ブッダの教えから脈々と発展させた人たち。
その祖師の考え方。
宗教と言うよりはその人の生き方、哲学的なとらえ方で尊敬しているのではないだろうか。
私もその一人かもしれない。
分かりにくいが、仏教というよりこの法相宗が特に重要視している根本思想の唯識。
精神学問だね。
唯識(ゆいしき)学は、20代になんて凄いんだろうと驚愕した。
阿頼耶識(あらやしき)。
こんなものがあるのか。
阿頼耶識なんだこれは?
ココロの奥の奥まで、分析すると深層心理より深く潜り込んで見つけ出す。
唯識。
ココロの奥の阿頼耶識という意識を見つけだす。どこまで、この人達は人のココロを研究しているねん。
自分では気づくことができないよ。
目に見えているものがすべてだよ。それが、論破されていく。
意識とは真実とはなにか、自分とはなにか?
これ、宗教ではないよ。
もはや科学か?
誰?
こんなの研究した人。
とにかく驚愕した。
今も昔も、ココロはなにも変わっていないのではないか。それどころか今の方が本質からずれたことを教育されて見えなくなっているのではないかと気付かされた。
その考えを、この柱に描かれている祖師が研究し続けたのではないか。
柱がすべてを物語っている。
法相宗が蘇った。
少し前に、法相宗の薬師寺の伽藍が復活してきて、興福寺も遅れながらも中金堂を復活。
誰?この柱を蘇らせたのは。
これぞ日本の大きなココロの柱の一つであることは間違いない。
幕末にガチンコで西洋とぶつかり。
思想からすべて混沌したのだろうか?
その時代の様々な要素から廃仏毀釈もあり捨てられるレベルの扱いまで落ち、また平成が終わろう終わろうとしているこの時代に復活してきている興福寺の中金堂の巨木の柱。
これからの伽藍(寺の建物)復活と、進化した法相宗の思想とが合わさって、平成の次の時代へ進化を続けられるかもしれない。
唯識(ゆいしき)の進化が、興福寺や日本のココロの完全復活になるかもしれない。
この興福寺を見ても、日本が本当のココロを取り戻してきているのではないか?
何が大切なのかを。
まだまだ、ろくでもない報道機関と学者が日本のココロの病巣として残ってはいるものの・・・。
インターネットにより嘘が出回りやすいが、嘘もばれやすい環境が整いつつある。
本物は復活できる。
仏教の基礎学問といわれているが、宇宙を含めても考えの基礎。
この本質が見直されて初めて日本が蘇るのではないだろうか。
中金堂というハードは蘇った。
後はこの難解な仏教の基礎学のココロのソフトを現代にも蘇らせることだ。
昔と違って巻物の経典以外にもいくらでも伝える方法はある。
唯識学。
この平成が終わろうとしている今こそ科学が唯識を蘇らせるのではないか。
中金堂をでて、改めて全体像を観る。
すごいなー。
日本の思想の歴史に思いをはせる。
これで正月の遠足は満足。
我が家の世代交代のちびっ子に、日本国の宝、国宝館で崇高な仏像彫刻を見るか?
それとも鹿を見る?
「鹿!」
そんなもんだ。
そこで、鹿といっぱい遊んでいてくれるかな。
おばあちゃんと待ってて。
車を取りに行ってくる。
今年もなんとかファミリーとばあちゃんも一緒に朱色の印章押したご朱印も貰えた。
赤い奈良。
観音さまありがとう。